当法人会では、1市1町にわたるネットワークを生かし、地域の活性化や地道な奉仕などの社会貢献にスポットをあて、その活動を多くの人に知ってもらい、また、地域で頑張る人・企業を応援し、ともに素晴らしいまちづくりを進めていこうという主旨のもと、平成14年度より『社会貢献大賞』を制定しています。
令和5年度においても令和6年度通常総会後に表彰式が行われ、次の方々が受賞されました。
令和5年度
◆社会貢献大賞
気仙沼条南商店街(気仙沼)
東日本大震災で被災した商店街に活気を取り戻そうと、2013年から「スラムダンク」「鬼滅の刃」などその年に話題となったものをモチーフに名誉会長の赤間さんらが自らそのキャラクターに扮装してイベントのポスターを作成している。そのユニークな取組みは人々に明るい話題を提供し続け、多くのメディアでも紹介され、商店街だけでなく全国に気仙沼をPRしている。
◆地域ボランティア部門賞
赤間 文彌 氏 (気仙沼)
気仙沼条南商店街の会長として、永年商店街発展の努め、往復2kmにわたる商店街の花壇の手入れを20年以上一人で続けている。毎朝個人の軽トラックに道具を積み、日が短いときは軽トラックのライトを照らし作業を行い、商店街の美化に貢献している。
◆教育スポーツ部門賞
唐桑総合型地域クラブ「カラット」 (唐桑)
会員及び唐桑自治区住民に対し、スポーツ・文化芸術・レクリエーション・生涯学習等の事業を通じ、地域に根差して相互の交流を深め、青少年の健全育成や地域コミュニティ振興を図り、地域社会の活性化に寄与している。
◆地域振興部門賞
本吉夢プロジェクト委員会 (本吉)
前身である本吉地域のまちづくり協議会から永年に亘り「地域を元気に、夢をカタチに」をスローガンに、イベントの企画・実施、まちづくりへの提案など地域住民の声を聞き、幅広く地域社会発展のため活動している。
◆子育て交流部門賞
特定非営利活動法人「ウィメンズアイ」 (歌津)
南三陸町において子育て支援に関するサービスが少ない現状から、子育て世帯のニーズを受け、町に合った形でのサポート事業を展開している。子供を預ける際の不安要素を事前に洗い出し、安心して利用できる事業を構築するとともに、将来への架け橋となる少子化対策ともいえる取組みとなっている。
◆ふるさと振興部門賞
チーム「まんまる」 (志津川)
南三陸志津川地域において震災以前、上山八幡宮への初詣をする人々に無料で年越しそばを振舞う風習があった。コミュニティーが希薄になりがちな現代において、子供から大人まで地域のほのぼのとした暮らしの営みを後世に繋げようと震災後、途絶えていたこの活動を3年前から復活させている。
令和4年度
◆社会福祉部門賞
フードバンク気仙沼(気仙沼)
気仙沼市民の協力のもと、食材や食品等を必要としている方々へ各団体やチームを経て届けている。また、寄付物資を受け付けるためのフードポスト(無人寄付物資受付所)を2021年より市内6ヶ所に設置(2ヵ所増設予定)。その他、フードバンク祭、ワンテンフードドライブ等様々な企画を行って活動している。主な支援先は「子供食堂イートる」「子供食堂OGARU」「ひありんく気仙沼」「髙松園」「各災害公営住宅」等多岐に及ぶ。人の生命を左右する「食」に主眼を置き、災害支援のみならず未来を担う子供たちにも視線を向けた幅広い活動に取り組んでいる。
◆ふるさと活性化部門賞
海上のメリークリスマス実行委員会(唐桑)
震災後から唐桑町内の海の清掃や牡蠣筏等の修理に来ていた「静岡県伊豆海洋公園ダイビングセンター」のダイバー達が伊豆で水中クリスマスツリーを設置するイベントを行っており、唐桑にも4メートルのツリーを贈られたことがきっかけで、それを海上に設置し多くの方々に喜んでもらうため実行委員会が設立された。震災後の唐桑の夜は暗く寂しい雰囲気であり、特に冬は人通りも少ないことから、イルミネーションイベントを開催し地域の皆に元気と明るい話題を提供し唐桑の活性化に繋げようと毎年場所を変えながら開催している。今年で10回目を数え、演奏会やクリスマスマーケットを同時に開催して賑わいのあるイベントとして定着し、唐桑の冬の風物詩となっている。
◆観光振興部門賞
田束山観光公園保存会 (本吉)
昭和62年に策定された「田束山観光開発ビジョン」により、西暦842年の開山以来多くの人々の信仰を集め、山伏の修行場でもあった霊山である田束山に三十三観音・七観音・大聖不動明王を建立する計画が立てられた。沢山の方から賛同・寄進を受け、平成3年5月三十三観音、平成6年5月七観音、平成8年11月田束山大聖不動明王が完成した。以降は5月のつつじの時期に田束山石像公園まつりを開催し、護摩祈祷を実施している。長年に渡る田束山の環境保全並びに石像公園まつりの開催により地域の歴史を伝えるとともに、賑わいを創出するなど地域観光に寄与している。
◆地域交流部門賞
南三陸町歌津海山大地交流推進協議会 (歌津)
山形県庄内町並びに栃木県那須町高久中学生等との漁業体験交流事業等を通算25年に渡り実施している。震災後の復興復旧の際には、山形県庄内町をはじめ交流していた地域より物心両面から絶大な支援を受け、家屋や地域コミュニティーが失われ内向的だった方や復興住宅等に移り住んだ方々との新たな絆が再生された。コロナ感染拡大時もリモートにより交流を継続してきた。
地域再生の一環で泊浜の見晴らしの良い岬に6月ひまわり、9月菜の花を植え「ひまわり岬」として撮影会等のイベントを開催し毎年整備等を行っている。交流事業のみならず、化石地質説明案内等地域資源を活用した事業も行い、幅広く地域社会発展のため活動している。
◆環境保護部門賞
南三陸地域イヌワシ生息環境再生プロジェクト協議会 (志津川)
気仙沼・南三陸・女川・石巻・登米の東部からなる南部北上山地はイヌワシが繁殖する日本有数の生息地だったがここ30年ほどで絶滅の危機に瀕しており、イヌワシが狩をするのに適した山の環境が減少したことが指摘されている。このような状況を踏まえ、南三陸地域にイヌワシが生息繁殖できる山林環境の再生を目的とするプロジェクトが2016年11月に発足し、官民が連携した森林計画が策定された。関係者との連携協働を強化し、取組みを着実に進めるべく2021年5月10日に協議会が設立され、2021年6月に絵本「イヌワシの棲む山」を発行し南三陸町生涯学習センターに寄贈している。南三陸地域において絶滅が危惧されるイヌワシの生息環境を守り、人の暮らしと自然の恵みが調和する地域づくりを目指し、官民連携して継続的に活動している。
令和3年度
◆地域ボランティア部門賞
村上 力男 氏 (気仙沼)
平成15年頃からの長きに亘って、毎日の様に朝4時から一人で気仙沼図書館前から市民会館~幸町に 至るまでの道路清掃を続けている。暗い時は車のライトを照らし、春は桜の花びら、秋から冬は落ち葉が積もる道を学生たちの登校前に掃除をしている。地道なボランティアや地域社会に貢献している方に光を当て支援する当表彰の趣旨にふさわしい活動を長年続けている。
◆青少年育成部門賞
一般社団法人フリースペースつなぎ(気仙沼)
2013年2月にオープン。不登校やひきこもりなど生きづらさを抱える子ども、若者及びその家族を支援するための安心できる居場所作りを目指し、人と人とがつながりあう中で、主体的な学びと自立的な成長を支援し、未来へと希望を育める地域づくりを目的としている。開設当初は、自宅を開放しながらの運営だったが、2018年夏から多くの方々の協力を得て「つなぎハウス」をつくった。子供たちの主体的な学びと自立的な成長を支援し、未来へと希望を育める地域づくりに貢献している。
◆ふるさと振興部門賞
大唐桑茶栽培愛好会 (唐桑)
かつて養蚕業が盛んだった唐桑半島の農家では、桑の木が蚕の餌として栽培されていた。
大唐桑栽培愛好会は,食用桑(大唐桑)を地域おこしの資源として普及・拡大することを目的に発足し、平成16年から「大唐桑」が生産され、地域の特産品として葉は「桑葉茶」に、果実は「ジャム」等の加工品へと使われている。また、産業まつり・牡蠣まつり等への出店を通して普及活動に努めるなど、新たな地場産品を創り出し地域振興に大いに貢献している。
◆自然交流部門賞
NPO法人浜わらす (本吉)
平成27年8月設立。子どもたちに自然の体験を通じた学びの場を提供し、自然と人間の関わりから生きる力を学ぶことで将来の地域社会を支える人材を育成し、未来の豊かな暮らしの推進に寄与することを目的とし、月1回のビーチクリーンをはじめとした各種事業を行っている。
リアルに自然を体験する事、学校以外の地域との繋がり、これを途絶える事無く次世代へと伝え、世代を越えたコミュニティとして、たくさんの方々に気仙沼や東北のことを伝えようと尽力している。
◆スポーツ教育部門賞
道合剣道スポーツ少年団 (歌津)
昭和61年設立、今年度で35周年を迎える。現在は17名で週3回の稽古を行っている。剣道の稽古だけでなく、部員の健全な心と体の成長を促すためOB等と合同でお寺での座禅体験や地域交流の一環として 餅つき大会を行い、地域の伝統や食文化等に触れる活動を行っている。震災直後は練習場が避難所となって稽古が出来なかったが、子供たちが自主的に外で練習し大会で優秀な成績を収めた。震災後にも活動が受け継がれ、試合で結果を出すことで子供たちだけではなくOBや被災した地域住民にも力強い活力を与え、地域社会に貢献を果たしている。
◆環境保護部門賞
南三陸KODOMOラムサール実行委員会 (志津川)
「KODOMOラムサール」とは、2006年からスタートした湿地をテーマにした全国的・国際的な学習・交流活動であり、平成30年に志津川湾がラムサール条約湿地に登録予定であったことから記念イベント「KODOMOラムサールin南三陸町」を実施するために発足した。
現在は同イベントに参加した南三陸の子供達が中心となって令和元年に結成された「南三陸少年少女 自然調査隊」の体験プログラムや交流学習の計画・実施を行っている。ラムサール条約の理念をもって、志津川湾の賢い利用の推進を目指し、地域の自然や文化、歴史の価値や魅力に直に触れ広く伝える活動を継続して行っている。
令和2年度
◆社会貢献大賞
三陸縦貫自動車道実現の会(気仙沼)
平成10年12月に、三陸自動車道早期実現を目指し継続して訴えていくことを目的に、気仙沼人力舎 木遣会を中心に、スポーツ・イベント・建設業界など宮城・岩手沿線の25もの民間団体が結束し「三陸縦貫自動車道実現の会」が組織され、地道な促進活動を展開してきた。沿線自治体への要望活動、イベント開催などで機運を盛り上げ、気仙沼市内の国道45号に早期実現を訴える看板を設置して市民やドライバーにPRを続けてきた。こうした運動が結実し、遂に三陸道が完成をみた。このたびの開通に同団体が果たしてきた役割は大きい。
◆ボランティア推進部門賞
小野寺 紀子 氏 (気仙沼)
新型コロナ感染拡大により首都圏で医療資材不足が深刻であったことから、ポリ袋と養生テープで簡易医療用防護服を製作する「防護服プロジェクト」が立ち上がり全国的に活動してきた。
未だ高齢者施設や介護施設でのニーズは高く、継続支援に加えスポットの支援要請にも対応している。各団体や学校への参加協力を呼び掛けるほか、完成品の検品・取りまとめ・発送等を個人的調達で続けてきた。現在も地域の人々や学生などを巻き込みながらボランティア精神を波及させている。
◆ふるさと活性化部門賞
からくわ夕市会 (唐桑)
前身は「唐桑町朝市実行委員会」として中井公民館で地域の産品の販売所として始まった。
その後、唐桑町の農協に販売場所を変更し夕方に直売を行っていた。平成8年に「からくわ夕市会」が設立された。前身時代から数えると30年以上、唐桑地域の消費者、事業者の交流の場を提供し地域の賑わい創出を図っており、域内の需要喚起に資する取り組みを行っている。
◆スポーツ交流部門賞
気仙沼本吉サーフィンクラブ (本吉)
「サーフィンを通じて海や環境への関心や健康な体を育成すること」「全国でも有数の本吉地方のサーフスポットをライフセービングを通して安全を守り啓発すること」「地域の活性化・相互協力・サーフィンを普及すること」を目的に1991年より活動を行っている。現在の気仙沼市長杯サーフィンコンテストの前身である本吉町長杯サーフィンコンテストを立ち上げ、2020年で35回目の開催となった。クラブで行っているクリーン活動には、地元住民も自主的に参加するようになっている。ボランティアのライフセーバー活動や、小泉海岸の駐車場内の見守り活動を行う等の地域貢献も行っている。
◆地域イノベーション部門賞
合同会社でんでんむしカンパニー(歌津)
震災後のボランティア活動をきっかけに東京から移住した代表の中村氏が2012年に南三陸町観光協会へ入社、2015年に独立して耕作放棄地の再利用プロジェクトを立ち上げ活動。2017年に同法人を設立した。
埋もれてしまう耕作放棄地や古民家を有効活用し、新たな魅力資源へと再生している。主に①耕作放棄地を再利用した藍草の栽培・染料づくり藍染め製品の販売、藍染め体験教室の開催②古民家を大規模改修工事し、地域の方の交流場所や宿泊施設として生まれ変わらせるプロジェクトに取りくみ、活動の輪を広げている。
◆産業振興部門賞
南三陸ワイナリー株式会社 (志津川)
南三陸町と地域おこし協力隊が2017年に「南三陸ワインプロジェクト」を立上げ、ワイン造りを開始。2019年2月に同法人を設立、2021年10月には醸造施設が完成予定である。
山の山頂にはブドウ畑が作られ、そこで育ったブドウが海に面したワイナリーで醸造される。南三陸の山と海の恵みを活かしたワインが作られると同時に、訪れた人には海中熟成されるワインを海へ沈めたり、ブドウの収穫体験を通じて南三陸全体を体感してもらう。南三陸の海の幸と山の幸のマリアージュを堪能することで「食文化」と「地域」を感じてもらい、町に新たな賑わいを作り出している。
令和元年度
◆社会貢献大賞
南三陸福興市実行委員会(志津川)
東日本大震災からわずか50日後の2011年4月29日に「ぼうさい朝市ネットワーク」の支援を受け、第1回福興市を開催したのが始まり。甚大な被災状況でまだライフラインも復旧していない中での実施だったが、地域住民に元気を与え再び立ち上がるきっかけとなった。「単なる復興ではない、市から福を興す」という願いを込め、それからほぼ毎月のペースで音楽ステージや花火・餅つきなど多彩な趣向をこらして「福興市」を開催しており、多くの南三陸ファンを生み出した。現在では町のシンボルイベントとして定着しており、記念すべき100回目の開催を予定している。
◆共生社会推進部門賞
一般社団法人「コ・エル」(気仙沼)
『コ・エル』は、高次脳機能障害者家族とその支援者が、地域交流において様々な障害への理解と社会参加のあり方、障害福祉ネットワークの大切さを考え平成24年12月に設立された法人である。平成25年3月「就労サポートセンターとれいん」開所、平成28年4月「相談支援センターじょいん」開所。障がいのある方々に対し、特性にあった機能訓練などを取り入れて、就労に必要な講座や生活リズムの改善、体力作り、施設外での実習等、社会人としての自覚・自立が出来るよう継続的なトレーニングを2年間行い就労の実現を目指している。
◆ボランティア部門賞
魚町地区ボランティアクラブ (気仙沼)
魚町地区ボランティアクラブでは、趣味の会やお茶会等の交流サロンや高齢者世帯の訪問活動を通じ、長年に亘り福祉活動に取り組んでいる。特に、地区内においては、高齢者世帯や一人暮らし世帯が多く、見守り活動は真に地域包括ケアに繋がる重要な取り組みであるといっても過言ではない。魚町地域は東日本大震災により甚大なる被害を受けており、ボランティアクラブも震災で困窮する 状況の中で休止期間を経て組織を再編し、平成27年4月から活動を再開し現在に至っている。
◆教育文化部門賞
大沢打ちばやし保存会 (唐桑)
平成3年、大沢地区で行われる「柴木まつり」道巾おどりを盛り上げるために小原木剣道スポーツ少年団の児童・保護者・地区内の有志により結成された。震災により全て流失してしまったが、支援を受け太鼓等が再び揃えられ、現在では大沢地区こども育成会で活動を受継いでおり、保護者も一緒に練習している。伝統芸能を伝承する観点からも地域貢献度が高い。主に、地区内のお祭りや毎年11月の唐桑町福祉まつりに出演。平成31年3月には、三陸道開通式で演奏を披露した。
◆スポーツ交流部門賞
佐藤 誠悦 氏(本吉)
18歳から現在まで50年間スポーツボランティア活動を通じ地域づくりへ貢献。気仙沼市スポーツ少年団「本吉ジュニア」のコーチとして25年間小学生へバレーボールを指導するとともに、指導者育成にも取組んできた。これらの功績により平成30年に気仙沼市体育協会より表彰を受ける。震災の津波で被害を受けた自身の水田を2年かけて復活させ、2013年から稲刈りとバレーボールと音楽をコラボした「稲刈りカップ」を主催し県内外の若者・外国人留学生など120名が参加、地域住民との交流を行っている。また、震災当時は消防士だったこともあり、「いのちを守る」語り部としても国内のみならず海外でも講話活動を行っている。
◆ふるさと振興部門賞
歌津地区復興支援の会「一燈」 (歌津)
以前は「すばらしい歌津をつくる協議会」や「NPO法人夢未来南三陸」という団体の中で活動していたが、平成29年度より「歌津地区復興支援の会 一燈」として活動を行っている。主な活動内容は、歌津地区内の情報発信を目的として復興支援広報紙「一燈」を年に4回程度発行しているほか、小中学生を対象とした防災学習や郷土学習、自然や歴史、災害について学習する機会を設けることで、歌津地区のことを受け伝えている。また、震災後希薄になった地域コミュニティの再生を目的とし、お茶会やグラウンドゴルフといったイベントをはじめアクセサリーや布草履等の郷土品の製作を通じて活発な地域 交流の場を形成している。